名前
件名
メッセージ
絵文字
画像
アイコン
文字色
パスワード
プレビューする(投稿前に、内容をプレビューして確認できます)

レッツ鍛練③

木世荷ゆう子

2018/02/20 (Tue) 23:00:35

 悲しい気持の日の空は、まぶしいほど青い。
 梢にとまる一羽の鳥が、輝く日の光に照らされ一層白く美しく見えるのが疎ましい。視線を下ろした先で、かわいらしく風に揺れるセイヨウタンポポの黄色が煩わしい。
 色彩にあふれた世界の中で、絢美は自分だけがモノクロの存在のように感じていた。
 絢美は水曜日に告白したことを大いに後悔しながら、脚を引きずるようにして公園脇の通学路を高校に向かっていた。
 波立つ絢美の心とは裏腹に、つり上がり気味の目のせいで、その様子は不貞腐れた反抗期の高校生にしか見えなかった。
 失恋するのなら、水曜日に告白はしなかったのにと思う。いや、告白しなかったのに。
 気がつくと足元ばかり見てしまう。意識して視線を上げた先に小早川が見えた。昨日絢美が告白したクラスメイトだ。学校とは反対方向の絢美がいる方へ向ってくる。
 絢美は道の隅に寄り、再び視線を下げた。

Re: レッツ鍛練③

346U

2018/02/21 (Wed) 00:05:16

な、な、なに?
この文質、すごい。
何があったの?
冒頭4行で、私はめろめろになってしまった。
帰ってこいよ~

Re: レッツ鍛練③

こばち

2018/02/21 (Wed) 09:14:09

久しぶりに文章を読ませてもらいました。
奥に秘めた尖った部分はそのままに、でも、たおやかさが増したかな^^
>失恋するのなら、水曜日に告白はしなかったのにと思う。いや、告白しなかったのに。

水曜日に としたところが秀逸でした。
いや、 からあと、 告白 すら しなかった とするか、
土曜日にだってしなかったかもしれない のように突っ込んでもよかったかもと思いました。
いずれにしても、文章を読ませたことでその人にも文章を書かせようと思わせる力のある人です。木世荷さん。
いつかぱーちーでお目にかかりましょうね。

Re: レッツ鍛練③

さつき

2018/02/21 (Wed) 20:04:22

ゆう子さん、拝読しました~^^

冒頭、すごくいいですね!346Uさんがメロメロになったのがわかる。
色褪せちゃうのと、失恋って、いいリンクだ。

最後もこれからどうなるのか気になります。
小早川はどうして学校から出てきたのかしら、どうしてふったりしたのかしら。
消え入りたくなる主人公の気持ちがよく伝わります。

吊り上がった眼のところだけ、視点がゆらいだ気がして、ん?となりました。
あとはもう、もっと読みたいにつきます^^

346Uさん、こばちさん、さつきさんありがとうございます

木世荷ゆう子  E-mail

2018/02/21 (Wed) 23:00:37

わ!早くも感想いただき、ありがとうございます
年齢を重ね素直に喜べないことも多いですが、今回は喜んじゃおうと思います
でもね、我らが姫である「あの方」の文章の影響をモロに受けてるなあと、投稿してから実感しました(^^;)ゞ

346Uさん、
ほめても何もでませんよー
恥ずかしくって隠れたいです(じゃあ投稿すんなってね)
木世荷の巣は、情報社会と隔絶された隠れ里のため電脳交流はかなりの時間を要するので、戻るのは無理なのです
短い文章で気ままに交流できるここは、とっても貴重でした
「戻ってこいよー」って、とっても嬉しかったです


こばちさん、
影響かなり受けております
冒頭2行目から4行目は、あのお話のあの部分だなと自分でもはっきり分かります
書いているときは意識していなかったのですが
引用にならないように気をつけていきます

>告白しなかったのに
確かに分かりづらいし、不足しているなと思います
細部に目を光らせねばと思いつつ、大雑把さをぬぐい切れないでいます


さつきさん、
せっかく考えてくださったお題に上手く応えられず、不完全燃焼感があります


>つり目  
早く情景描写して、早く登場人物の描写して・・・なんて頭では思っていても、短くぱちっとハマる言葉が見つけられなくて悩んでしまいます
目新しい言葉ではなく、はっとする新しい視点での描写をめざして精進します

ではみなさん、受賞パーティーにてお会いしましょう

「夏のただなか」

さつき

2018/01/15 (Mon) 21:17:35

 高二の夏、家の用事で部活を早退した隆(タカシ)は、川沿いの土手を一人歩いていた。
 遠くに立ち並ぶマンションと、川の反対側に立つ真っ赤な水門以外、遮るものはなにもなく、どこまでも続く一本道と同じように、真昼の空は高く高く広がっている。
 風が、次々と雲を渡していく。日差しはきついが、気持ちがいい。バッシュと水筒の入ったカバンを右手で担ぎ直し、隆は顔を持ち上げた。髪が巻き上げられ、シャツの袖が後ろになびく。縁石沿いに咲く花は揺れ、草がさわさわと音をたてる。川に目を移せば、キラキラと水面が揺れていた。
 これだけ吹いていれば、午後の練習もそんなにきつくはないだろう。風を受けながら隆は思った。無風の体育館がどれだけつらいかは、バスケ部全員がよく知っている。どうせ早退するならもっと、蒸し風呂みたいな日の方が得した気分になれたのにと、贅沢なことを考えだす。
 ふいに戻した視線の先、一本道の向こうから、見知ったセーラー服姿が現れた。遠すぎて同じ高校の生徒としかわからないその子が、近づくにつれはっきりとして、隆は急に、身体が熱くなるのを感じた。
 ――小林。高く一本に結んだ髪をなびかせて、細い腕をきびきびと動かす姿に間違いはない。スカートから伸びる、程よく日に焼けて健康そうな脚が、こちらに向かって歩いてくる。
 こっちに気づいた彼女が手を振った。お前も振れよ。頭のどこかが叫ぶ。そうだ、クラスメイトなんだから、手ぐらい振ったって可笑しくない。なのに右手はカバンでふさがり、左手はズボンのポケットに突っ込んだまま、いっさい出ようとしてくれない。掌が、じわりと汗ばんでくる。
 荒ぶる風が、真正面から顔をはたいた。火照る頬は、冷めてくれない。(了)

Re: 「夏のただなか」

346U

2018/01/16 (Tue) 11:45:32

さつきさん、
読ませていただきました。
いいね。風を感じた。
>遠くに立ち並ぶマンションと、川の反対側に立つ真っ赤な水門以外、遮るものはなにもなく
遠くに立ち並ぶマンション: 遠くなので、霞んでいるとか、輪郭がぼやけたとか、入れた方がよくない。
そんで引っ掛かりは、次の川の反対側に立つ真っ赤な水門かな。
真っ赤な水門だけがこの情景の広がりを急に狭めているように感じたかな。
ベクトルの矢印が明後日の方を向いている。伝わりますでしょうか?
あとはすごくよかったよ。
頑張ろう。

346Uさん、ありがとうございます。

さつき

2018/01/16 (Tue) 22:09:14

コメント、ありがとうございます。

冒頭、確かに!
ぼかした方が遠さが伝わりますね。
水門も、ご指摘いただいたニュアンス分かります。
空の広さを伝える描写になってなかったです(^^;

やっぱり人に見ていただけれると、自分で気が付かない部分が分かってありがたいです!!

Re: 「夏のただなか」

サナギ

2018/01/16 (Tue) 22:24:43

さつきさん、読みました。
特に風を感じる描写がいいですね。
体育館のむっとした感じを回想させることによって、より爽やかになっていました。

欲を言えばですが、彼女を見つけるまでの物語ですので、視線は近景から遠景へと流れたほうがスムーズにはこぶ(読者に親切)かなと思いました。

Re: 「夏のただなか」

木世荷ゆう子  

2018/01/17 (Wed) 15:04:53

2018/01/16 (Tue) 23:39:29
こんばんは
スマートフォンからだったので、どこにあるのか探しましたー
読めてよかった♥

とても爽やかで、そしてちょっと汗臭い(笑)のが「青春っ」を感じさせてくれました

気になったのは2点
バスケットシューズを「バッシュ」と略したところ。ラノベではアリだとは思いますが、個人的には略語、流行語は避けたいです。
もう一点はラスト。熱さ冷めやらぬのは真夏の暑さのせいもあると思うので、さらに熱くなった。さらに熱くなっていくという表現が適切だと思いました。

自分の書いた文章は、ツッコミ入れながら読み返すと瑕疵が減るそうです
でもなかなか自分一人では気づけないことが沢山あるので、こうした仲間に恵まれたことは幸せだと思います

Re: 「夏のただなか」

こばち

2018/01/17 (Wed) 17:00:11

さつきさん、読みました。よかったよ^^
画像のシーンが浮かびました。
仲間が指摘していない部分で私が気になったのは以下

>どこまでも続く一本道と同じように、真昼の空は高く高く広がっている。

一本道と空を同列対比させている文章なのですが、一本道は『長さ』を、空は『広さ』を想起させるため、『同じように』で括られていることに違和感があったのです。
表現って奥が深いよね! 読ませてくれてありがとう。

コメントありがとうございます!

さつき

2018/01/17 (Wed) 20:51:11

皆様コメントありがとうございます!

●サナギさん、
なるほど、一回遠くみてからもう一回目が近場を見なくちゃいけないんですもんね、読者的には(^^;
やっぱり人に見てもらわないとわからないことっていっぱいです!!ありがとうございます!

風ってなんか、さわやかで青春って感じがするかなって思って、びゅんびゅん吹かせました笑

●ゆう子さん、
そうか!普通はバスケットシューズか!
完全にスラムダンクの影響ですね笑
「携帯」→「実は携帯電話」と同等くらいに、
作者の中でバスケットシューズがバッシュになっておりました。

ラストの件、私の描写力のなさでうまく伝わってなかったので申し訳ないのですが、
出だしは「風が吹いてるからそんな暑くないな、気持ちいいな」
からの、ラスト「うそうそ、全然あついじゃん!」っていうオチだったので、
ほんとはこのままでいきたい。

こういうのってほんとに指摘をいただいてあ、ちゃんと伝えられていなかったんだ、って気づくことがあるので、
とてもありがたいです^^

●こばちさん、
長さと、広さ、そうかー!違和感が出てしまうのかー!
これも言っていただいて初めて納得。
でも確かに、奥に続くものと、上に広がっていくものだし、
方向も違う(^^;

自分的にはきっと、どちらも広がりを意識していて、
でも、安易な?言葉選びで一本道、続く、で、終わらせてしまっていたので、読み手に違和感を与えてしまったのかな、と。

道に絞るからいけなかったのかも^^
空を見せるため、地上の描写を違和感なく表現する方法、きっとあるはずだと、あきらめ悪く模索しております^^
本当に奥深いです。

このBBSの使い方

管理者

2018/01/15 (Mon) 10:46:18

ただいま推敲中HPに出されたお題に対する作品投稿はここでお願いします。
投稿する方は、まず上の新規投稿をクリックして、スレッドを立てます。スレッドの件名に、お題名を淹れてください。読まれたからはそのスレッドの返信ボタンをクリックして、その作品の感想を書き込んでください。
感想返しも同様です。
では頑張りましょう。

Re: 無題

管理者

2018/01/15 (Mon) 10:47:51

例えば、このスレッド「無題」に対する感想はそのスレッドの返信をクリックして、このように書き込めます。

Re: 無題

管理者

2018/01/15 (Mon) 10:52:37

つづけて、他のかたはこのスレッドに感想を書き込みます。

Re: 無題

管理者

2018/01/15 (Mon) 10:53:53

それでは頑張って、鍛錬いたしましょう!

Re: 無題

管理者

2018/01/15 (Mon) 10:55:08

投稿された作品は件数が増えますと、自動的に削除されてしまいます。管理保管はご自分でお願いします。

Re: 無題

346U

2018/01/16 (Tue) 12:34:36

作品を投稿されたり、感想を入れられた方は、
推敲中の記事コメント欄にその旨、足跡を残していただけたら嬉しいです。